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アソス史上最速を更新する BOLIDE 、それは “ミスタータイムトライアル” からの贈り物。

APSTStaff による の投稿
アソス史上最速を更新する BOLIDE 、それは “ミスタータイムトライアル” からの贈り物。

突然ですが、皆さんは ダニエル・ギジガーという人をご存知でしょうか? 1954年生まれ、スイス国籍の自転車選手です。1970年代後半から1980年代にかけて選手時代を過ごし、脚質としては、単独走で力を発揮するタイプ。トラック競技やロードレースのタイムトライアルを得意としていたことから、“ミスタータイムトライアル” の異名を持つお方です。

そのギジガーさんが、アソスとどんな結び付きが? ということですが、アソスの歴史を紐解いていくと、必ず目にすることになるブルホーンハンドルのバイクと、それに乗るギジガーさんの写真。あんまり詳しく掘り下げると収集つかなくなってしまうので、今回は出来るだけ手短に説明させていただきますね。

 

アソスは最初からウェアのブランドではなかった

アソスの創業者であるトニー・マイヤー氏が、まだサイクルウェアのブランドを立ち上げる前のこと。彼が残した功績として、“世界初のカーボンバイク” と “世界初のクロノスーツ” が挙げられます。

スイスのチューリッヒ工科大学と共同で行われた、空気抵抗の少ないパイプ形状を持つカーボンバイクの開発に携わっていたことがそもそもの始まりです。

バイクの風洞実験を繰り返す中で、マイヤー氏はあることに気がつきます。当時選手が着用していたウェアが大きな空気抵抗の発生源になっていると。

そこでマイヤー氏が発案したのが、サイクルウェアでは当時まだ存在していなかった上下一体型のワンピース。スキーのダウンヒル用のスーツからヒントを得たそうです。実際に選手にスキー用のスーツを着させたところ、タイムが大幅に向上しました。

この一連の出来事を経て、マイヤー氏の情熱は、ハイテク素材を駆使したサイクルウェアの開発へ注がれることになります。

もうお分かりですね。冒頭の写真でギジガーさんが乗っているバイクは、マイヤー氏が手掛けた世界初のフルカーボンバイク。そして、ギジガーさんが纏っているワンピースこそ、今日のアソスの礎を築いたファーストクロノスーツ、まさに THE ORIGIN ですね。

 

日本とも親密な関係のギジガーさん

ダニエル・ギジガーさんについて、もう少しだけ触れておくと、選手を引退された後は、指導者としてその手腕を遺憾なく発揮されています。心拍計やパワメーターを用いた科学的なトレーニングをいち早く導入し、自国スイス代表選手の育成に務め、多くのタイムトライアルのスペシャリストを輩出してきました。中でも、高身長のナイスガイ、シュテファン・キュング選手(スイス)は、ギジガーさんの薫陶を受けた愛弟子と言ってもいいでしょう。

また、日本とも非常に深い関係をお持ちのギジガーさん。2023年にトラック競技の日本代表中距離種目のヘッドコーチに就任されました。今も日本にいらっしゃるようでしたら、一度お会いしたいなぁ〜。

さらに深掘りすると、日本ロードレース界のレジェンド 市川雅敏さんが、日本人として初めてジロ・デ・イタリアに挑戦した際、市川さんが所属するチームの監督が、ダニエル・ギジガーさんだったというから驚き! 監督として市川さんをチームに迎え入れ、トレーニングやコンディション作りなど指導されたそうです。

日本人選手が世界に踏み出したその陰には、ギジガーさんの有能な選手を見出す “眼力” があったということですね。ギジガーさんについてもっと知りたい! という方は、ネットで調べてみてください。優しい目をした素敵なおじ様ですよ。

 

50年変わらない意志を受け継ぐ、究極のスピードスーツ BOLIDE

サイクルウェアのビジネスへと大きく舵を切っていったトニー・マイヤー氏、その原動力はどこにあったのでしょうか。もちろん、ビジネスチャンスと捉えたということも大きな理由の一つでしょう。しかし、それ以上にマイヤー氏を動かしたのは、彼の持ち前の “技術者魂” に違いありません。

1976年の創業以来、タイムトライアル用のクロノスーツの開発に取り組んできたアソス。その歴史は、オリンピックや世界選手権の表彰台を目指す選手たちと共に歩んできた道のりでもあります。

“選手をより速く走らせるウェアを”

その精神は50年経った今も変わりません。2026年、アソスは原点に立ち返り、史上最速を掲げるコレクションをリリースしました。それが、BOLIDE(ボライド)です。BOLIDE とは、ギリシャ語で火球を意味します。

 

BOLIDE ってどんな製品?

さて、ここからは、BOLIDE シリーズを代表するアイテムの紹介と、実際に製品を手に取り、感じたことをお伝えできればと思います。製品についてより詳しい情報を知りたい方は、アイテムごとの商品ページをご覧ください。

向かって左側が、EQUIPE RSR BOLIDE JERSEY S11  /  69,960円(税込)
向かって右側が、EQUIPE RSR BOLIDE SPEEDSUIT S11  /  119,900円(税込)

 

まずは、ボディ(上半身)に使われている素材 = Hawk-01 テキスタイル にご注目ください。表面に菱形(格子状)の凸構造を持たせることで、体にまとわりつく空気の渦を相殺し、粘性抵抗の少ないスムーズな気流へと転換してくれます。

 

袖の部分にもバリバリのエアロ素材 = Eagle-01 テキスタイル が使われています。従来のエアロジャージに使われている袖の素材が、ストライプの溝(凹)になっているのに対して、BOLIDE シリーズの袖は、ストライプが浮き上がった畝(凸)になってるのが特徴です。

ボディに使われている素材 Howk-01 と同じ原理で、二の腕〜肩周辺の気流を整え、後方へスムーズに受け流す効果を発揮します。また、進行方向に対して、斜め前方から吹く風もいなしてくれるので、バイクの直進安定性を高める意味でも非常に優秀な袖の素材です。

 

日々のトレーニングですら本気モードに変えてしまうジャージ

半袖ジャージタイプの  EQUIPE RSR BOLIDE JERSEY S11 に関していうと、大部分にエアロ素材を使っていますが、背面中央のパネルのみ大胆なメッシュ素材に切り替えています。高い通気性を確保し、汗の発散にも優れていますので、暑い日のレース・トレーニングでも優れたクーリング効果を感じられます。真夏の耐久レースで使うならこっちが正解。

また、3分割のバックポケットを備えていますので、通常のジャージ感覚で、背中に荷物を詰め込んでロングライドへ出掛けることも可能です。

しかし、一つだけ注意していただきたいのは、フィット感がめちゃくちゃタイトということ。身幅(胸の前)が非常に狭い作りになっていますので、従来のレーシングジャージを着慣れている人であっても、これに関してはワンサイズアップした方が良いかもしれません。サイズが選びが心配な方はメールやお電話でお問い合わせください。

 

未来のミスタータイムトライアルへ、アソス史上最速のクロノスーツ

ワンピースタイプの EQUIPE RSR BOLIDE SPEEDSUIT S11 ですが、こちらは背中側までしっかりとエアロ素材(Howk-01)で覆われています。これは、TTバイクの乗車姿勢に合わせている為で、頭を低く構え、地面に対して背中が水平になった状態で、エアロ効果が最大になるように考えられています。

バックポケットは2分割で、マチのない小ぶりなポケット。あまり多くの荷物を持ち運ぶことは出来ないので、あくまでも本気のレース仕様と言って良いでしょう。

 

その代わりと言ってはなんですが、胸の内側に小さい収納ポケットが隠されています。本来の用途は、レース中に選手が無線機を入れておく為のポケットなので、一般のサイクリストには使いどころが難しいのですが、これを活用しない手はありません。家の鍵や小銭などは、ビニール袋に包んで胸のポケットに入れておくことも。

 

投資すべきは、ウェアか? 機材か?

値段だけ見てしまうと、「ウェアにそんなお金出せない」と思われがちですが、しかし、フレームやホイールに100~200万円の投資が出来る人であれば、むしろこれを買わない手はないと、実際にモノを見て、それくらいの価値があると感じました。

エアロダイナミクスを考える時、前方投影面積うんぬんという話は避けては通れません。人の身体とバイクを比べて、どちらが前方投影面積の占める割合が大きいか? また、どちらを改善した方が費用対効果を得やすいのか? 

一概には言えませんが、ウェアや機材のカスタマイズは手段の一つで、その先にあるタイム更新や表彰台という目標にどれだけ近づけるか? また、空気抵抗の低減をウェアや機材に託すとして、それにどれだけ投資が出来るか? ではないでしょうか。

50年前にトニー・マイヤー氏が描いた夢は、今日の BOLIDE となって一般のサイクリストの手に届くようになりました。実際に買う買わないは別にして、スピードの世界へ挑戦する人々のロマンを感じていただけたら嬉しいです。

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